フェラーリのネオクラシック期を代表するF355が誕生30周年を迎えた。
そんな記念すべき年を祝うミーティングが富士宮で開催。
日本各地から熱心なオーナーが駆る59台の色とりどりのF355が集結した。
まだ新しいというイメージがあるフェラーリF355だが、2024年で誕生30周年を迎えた。流麗で伝統のスタイルと、現代でも遜色のないパフォーマンスを備えるF355は、近年魅力が再評価されて急騰するほどの人気を集めている。こうしたなかF355の誕生30周年を記念したミーティングが開かれた。
今回のミーティングを主催したのは、自らF355のオーナーであり、一緒に楽しもうという想いから、SNSの枠を飛び出し、リアルのイベントを開催するハンドルネーム『夢心彩純』さん。これまで”F355オーナーによるF355オーナーのためのイベント”を仲間の協力を得て開いてきた。例えば2014年にF355誕生20周年記念ミーティングを成功させ、2019年に25周年記念イベントを開催。このほかエリアごとのミーティングも精力的に開き、全国のF355オーナーからの信望も厚い。
これまで首都圏と東海地区のオーナーが参加しやすい会場が選ばれてきた。30周年記念ミーティングもその例に違わず、中間の静岡県富士宮市にある、富士山世界遺産センターに隣接する神田川観光駐車場で行われた。
当初エントリー時点では71台を数えたが、オーナーの都合やクルマの整備が間に合わないなどあり、最終的に59台が全国から集まった。中でも今回注目を集めたのが緑のF355だった。当時から幻といえる”ヴェルデ・ムジェロ・メタリツァート”の個体が参加したのである。またアメリカのミシガン州からF355オーナーのポール・クラジェンケさんが来日。友人のきたさんと共に参加し、国際的なミーティングとなった。
開会の挨拶と全員揃っての記念撮影が終わると、ミーティングの真骨頂といえるF355を囲んでの歓談タイムだ。参加者は旧知のオーナーと近況を報告し、初めて参加したオーナーと打ち解け、メンテナンスやパーツなどの情報交換などで盛り上がっていた。
当日は朝から曇り空で、昼前に小雨に見舞われたがすぐに上がり、水を差されることはなかった。いつもならランチ後にアトラクション行われるが、雨雲が接近していたため早々にお開きとされた。しかし参加したオーナーは、F355を仲間と共に楽しみ尽くし、満足気な表情で帰途についていった。
文&写真●上野和秀
text&photographs by Kazuhide Ueno