リシャール・ミルから届いた、最新の超軽量”ナダル”モデル

激しいスポーツシーンでも壊れないトゥールビヨンで一躍、名を上げたリシャール・ミル。その最終形ともいえるナダルモデルの最新作とともに、バリエーションが追加された新作ウォッチをご紹介する。

リシャール・ミルは、トゥールビヨンなどの繊細な扱いが必要な複雑時計を激しいスポーツシーンでも使用できるように進化させてきたブランド。そのためにまず取り組んだのが、ケースの軽量化と頑強さであった。重量を増やして頑丈にするのは簡単だが、一見すると相反する性質を両立させることこそ、リシャール・ミルの時計の本質といえる。この課題をクリアするために時計に使われる外装、ムーブメントのパーツ、ネジ1本に及ぶまで徹底して素材にこだわっているのだ。

リシャール・ミルで軽い時計といえば、『アスリートの第2の皮膚となるような時計を』というコンセプトで、時計の総重量32g、薄さ7.8mmという超軽量&薄型の『RM 67-02オートマティック』が思い出される。五輪選手が競技中に着けていることも忘れるほどの軽量な時計。そこからさらなる進化を遂げたのが今回登場した『RM 27-05 フライングトゥールビヨン ラファエル・ナダル』だ。

総重量は11.5g(ストラップを除く)という驚異的な軽さで、ケース厚7.2mmを実現した。しかも、トゥールビヨンを搭載し、強烈なテニスボールを打つラファエル・ナダルのために、14000Gという衝撃テストもクリアしている。これらを可能にしたため、ケースに新しい複合素材『カーボンTPT B.4』を採用した。この素材はリシャール・ミルのパートナー企業であるノース・シン・プライ・テクノロジー(NTPT)社と5年の歳月をかけて開発したもので、独自の機械で各層の繊維の方向を70度ずらしながら織り込み、カーボンファイバーの層に染み込ませる際に全く新しい高性能の樹脂を採用することで、従来より密度が4%、剛性が15%、樹脂の強度が30%も向上した。より頑強な素材に進化したため、ケースを薄く加工できるようにもなった。

最先端のタフな素材で軽量かつ薄いケースに仕上げ、トゥールビヨンまで搭載する脅威的な技術力。さらにリシャール・ミル ファミリーを代表するラファエル・ナダルの名を冠したこのタイムピースは、リシャール・ミルの魅力が凝縮した1本といえるだろう。

「RM 27-05 フライング トゥールビヨン ラファエル・ナダル」

価格:98 万スイス・フラン

実に10 作品目となる、リシャール・ミル ファミリーであるラファエル・ナダルのシグニチャーモデル。新開発素材であるカーボンTPTB.4 をケースに採用することで、軽さ、タフさ、薄さを実現した。ケースはモノコック構造になっていて、ミドルケースにムーブメントを収め、その上にインナーベゼルとベゼルを配置した独自構造に。5 時位置にはゴールドカラーのV 字キャリッジが回転するフライングトゥールビヨンが備わっており、文字盤を斜めに横断するカーボンファイバーを積層させたブリッジと連結する様子が見どころだ。

手巻き/カーボンTPT B.4 ケース/サイズ47.25×37.25×7.2mm /世界80 本限定

文字盤をV字デザインに見せるため。樹脂を染み込ませたカーボンファイバーを重ねてブリッジの形状に仕上げた。よく見ると、平行の層が均一に走っているのがわかる。ケースに収納されるモノコックムーブメントはしっかりと固定され、ネジは使用されていない。ムーブメントはブラックPVD加工したチタン製の地板をスケルトンにして軽量化を追求。

写真&取材協力●リシャールミルジャパン

Richard Mille | リシャール・ミル ⋅ 公式サイト

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