コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステが5月24、25日にイタリア・コモ湖畔にて開催された。
今回は限られた関係者やメディアのみが参加する、土曜日の参加者投票による『コッパ・ドーロ』になんと”ヤングタイマー”たる、マクラーレンF1が選出されたのは大きなニュースであった。これまではかなり重厚なクラシックが選ばれるのが常であったがこれも時代の流れだろうか。
イベントの盛り上がりは完全にコロナ禍以前に戻った感じで、日曜にお隣ヴィラ・エルバで開催されたパブリックデイは事前にソールドアウト。実に1万2000人が訪れたという。ちなみにベストオブショーは、1932年型アルファロメオ8C 2300フィゴーニが選ばれた。
さてフェラーリはと言えば、やはりクラシックカーマーケットの人気が反映され、例年のようにブランドとして最多の7台がノミネートされ、クラスウイナー含め4つの賞典を獲得している。今回は例年のようなオークションは併設されなかったが、その分、ヴィラ・エルバでは主催であるBMWによるレースマシン展示や、マルチェロ・ガンディーニ追悼展などが企画された。
クラスD(”Faster!”:The Arms Race on the Road)でウイナーを獲得したのは1957年のフェラーリ335Sスカリエッティ、s/n0674)だ。なんといってもこのクルマは昨年以来とても多く人々にその存在を知られている。そう、マイケル・マンの映画『フェラーリ』における重要な”登場人物”なのだ。この個体を精密に調査及びスキャンし、モデナの老舗カロッツェリアがその劇中レプリカを制作したのである。335Sは4台が製作され、まさにスポーツカー史に残る重要なモデルということもあり、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ会長賞も併せて受賞した。
そして同クラスの次点が1960年のフェラーリ250GTSWBベルリネッタ・スカリエッティ。166台生産されたスチールボディのうち54台目の個体で、グレー(Grigio Fumo)のエクステリアとブラウンのインテリアを備えたレアなコンビネーションを持つ。各箇所ともオリジナルに極めて忠実にレストレーションが行われた1台だ。
クラスF(Gentleman Drivers : Style for the Fortunate Few)でウイナーを獲得したのは1966年のフェラーリ275GTS(ピニンファリーナ)。モロッコの王子へ新車としてデリバリーされた個体で、このグリーンのボディはモロッコのナショナルカラーであるという。ボラーニのワイヤーホイールではなく、アロイホイール装着である他、各所にユニークなフィーチャーが見られる。
こちらの閲覧には有料会員へのご登録が必要となります。
有料会員登録がお済みの方は、Fujisan.co.jpにてお申込み頂いたアカウントにてログインをお願いします。