「ピーターセン・ミュージアム」地下で「マラネロ・マスターピース」開催(その2) 250GT 275GTB/4

ロスアンゼルスにある自動車博物館「ピーターセン・ミュージアム」が、今年で30周年を迎える。地下はミュージアムのバックヤードとなり、数々のコレクションが眠っているが、その一部が「THE VAULT」として現在一般公開されている。フェラーリのコレクションとしては、レジェンドギャラリーで映画「フェラーリ」に関する特別展示を開催。「マラネッロの傑作」と題して1947 年の 125 S から 1987 年の F40 まで、エンツォの存命中に製造されたフェラーリを中心にディスプレイがされている。ここでは、250GTと275GTBを紹介させていただく。

1954 フェラーリ 375 アメリカ クーペ by ヴィニャーレ

375アメリカは、1953年、わずか11台のクーペと1台のカブリオレという限定生産により誕生。レースカー譲りのパワーと性能に高級グランドツアラーの豪華さを融合したモデルとなった。ピニンファリーナは8台のハンドクラフトボディワークを担当し、ヴィニャーレはこの個体を含む3台を担当。レース由来の4.5リッターランプレディV12は、300馬力を発生。チューブラースチールシャーシで、ホイールベースは当時のフェラーリの中で最も長い2800mmとしていた。このクルマは1954年のニューヨーク世界モータースポーツショーでデビューし、後にジュネーブモーターショーに登場した。

エンジン:4.5リッターV型12気筒 296馬力

1963 フェラーリ 250 GT ルッソ

1962年のパリサロンで発表されたフェラーリ250 GTルッソは、ピニンファリーナが設計し、コーチビルダーのカロッツェリア・スカリエッティが製造したグランドツーリングカーである。1962年から1964 年にかけて 250 GTクーペの後継として製造され、フェラーリの定評あるパフォーマンスさと、それを引き立てる豪華さ、快適さに磨きをかけたモデルとなった。まったく新しいインテリア・アレンジは、改良されたダッシュパネルとキャビン全体にあしらわれた革張りが際立つ。シャシーには4 輪ディスクブレーキと、すべてのサスペンションにコイルオーバーショックを装備。351 台が製造され、当時それまでのフェラーリの中で最も多く生産されたモデルとなった。

エンツォ・フェラーリは同社のロードカーには無関心だったが、250 GTルッソの洗練されたキャビンは、レースカーに興味のない顧客の嗜好によく訴えるものであった。

3.0リッターV型12気筒 240馬力

トミー&レイシー・ドリッシコレクション

1967 フェラーリ 275 GTB/4

275 GTB は、250 GTルッソに続くフェラーリの公道仕様車で、ピニンファリーナがデザインし、カロッツェリア・スカリエッティが車体を担当した。1964年から1968 年にかけて製造されたこのクルマは、完全独立サスペンションを備えた公道仕様で最初のフェラーリであり、フェラーリ初のトランスアクスルギアボックスも搭載。1966 年初頭には、機械的に改良されたシリーズ II バージョンを導入し、その年の10 月にはGTB/4 が続いた。GTB/4 のコロンボ V12 エンジンは、4 つのオーバーヘッドカムシャフトと 6 つのウェーバー 40 DCN キャブレターを標準装備してアップグレード。推定最高速度 266km/hを誇った。

3.3リッターV型12気筒 300馬力

ブルース・メイヤーコレクション

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